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●オルクス オンライン

オルクス オンライン 8話 止まった世界、止まらない三人。ニンゲン黎明期 ウーラバ地方

抽象領域

時の魔女アルビナ あの...えっと...ごめんなさい
私がちゃんとした魔女じゃないから
心があるせいで、何か失敗があるかも
(ビナか?)
昔からすぐ迷子になるし...
あ、でも、ここでは迷わないように
ちゃんとするからね

あの世界の時は、ここから見れば
一時的ではあるけど、止まったの
そのおかげで、
破滅への時も刻まれていないはず
一時的にあの世界に戻してはあげられるよ
あの世界の時が止まる、数日前までなら
でもそれじゃあ、
根本的な解決は何も出来ない
だから私達は、ここで戦わないと

他の抽象領域と同期を取るから、
少し待ってて
ーアルビナは目を閉じたー
全部で3人
貴方を含めて、三人があの時の
ポリトウ=テロウスでルーンのあるあの
中庭へたどり着き、外の時間へ脱出できた
でも、この地点はまだ抽象的過ぎて、
貴方の存在は不安定なままだから、
こっちへ来て欲しいの
ーアルビナはある地点を指差したー
でないと上手く貴方の存在が安定しなくて、
あなたと繋がらない...
ーその時を何か言いかけていたようだが、
不意にアルビナの姿が霞んで消えたー

開けた地 -魔女は光の渦の方を
指差したようだが?-

具象領域

時の魔女アルビナ ちゃんとたどり着いてくれて良かった
ここでなら波長が合うはずだから
この辺りなら、貴方達の存在が具体的に
なっているので、見失わないで済むはず
あとは、あなたが今具体的にどこに
いるかを知る必要があって...
そのためには、あなた自身の手で
何が手に入るかを、
私に見せてもらう必要があるの
フィルミ倒せと

時の魔女アルビナ よく見せて...
ブラッドアントの爪...ありがとう
貴方がいる場所が分かった
脱出できたのはあなただけでは
なかったんだけど、それぞれ別々の
抽象空間に落ちてしまってて

(オルクス王子 管理官エリス 傭兵ケリー 商人見習いレナータ 誰だ?)
今、集めてこれた○○のおかげで、
それぞれがどこの時空にいるかの座標が確認
できたから、統合するね

(なんと、オルクス王子 騎士シオンが登場
まぁ、この二人なら霧に飲まれることはないみたいだけど...
紫の光、ルーンナイトということか?)

オルクス王子 ...なるほど
まだ生き残りはいたわけか
それにしても、
己にも復讐心があると理解せずに復讐した
あの小僧は、妙に面倒な事になったものだ

騎士シオン えっと、さっきまで
そこの魔女しかいなかったような?
いや。まぁ僕以外の人類が
ちゃんと生き残って動いているだけでも
かなりありがたい話だけどさ

時の魔女アルビナ えっと、三人ともに一度は説明したと思うん
だけど、あのテロウスから、抽象領域を経て
皆がこの具体的な世界まで脱出して...
集まる事ができたの
ちゃんと他の二人は見えているかな?

騎士シオン ...今までこの二人いなかったよね?

オルクス王子 ...

時の魔女アルビナ 皆が元いた世界の時間は、
あのルーンが強制的に止めたのよ
でも、あのルーンがあった間に生きて
たどり着いたのは貴方達だけだったから
(あの巨大なルーンは、全人類の代償だったという事になる)
だからあの世界から、時が止まる前に
連れ出せたのも貴方達だけだった

オルクス王子 魔女がルーンを利用するなど見た事も
聞いた事もないな

時の魔女アルビナ それはその...私はちょっと
変り種だから...です
でも、納得していないのなら、
抽象領域に戻れば、
あの日の数日前の世界になら戻れるよ
でも、
そこから先へは時はもう進まない
ここ以外の場所は、
時が止まっている

オルクス王子 ...

時の魔女アルビナ もう貴方達の存在は確立したから、
確認しに行っても良いよ
それで納得したら、
話の続きをするね
納得してもらえた...かな?
お話、続けて大丈夫ですか?

騎士シオン 時が止まってる、というのは僕も確認
してきた...確かにそう見えるけど、
納得するのは難しいな
そんな事が出来るのなら、
何でも出来そうだ

オルクス王子 ...まぁ、事実魔女どもは世界を好き放題
してきたからな

時の魔女アルビナ ううん、確かにシオンさんの言うとおり、
今、起こっている事は、
魔女の力だけでは難しい事なんです
世界を書き換えて、
分岐する事は簡単でも、
同一世界性を保つ形で時を止めたり...
全体のつじつまを一切崩さず歴史を変更
したりするのは難しいから
古代魔法は何でも出来てしまう分、
道理の整合性を保つのは逆に大変なの

オルクス王子 なるほど。ルーンの力がなければ、
この状況は魔女にも作れなかった、
というのはそういう意味か

時の魔女アルビナ ルーンの力...魔女の力...後もう一つ、
精霊の力もあって、
ようやく成立している状況なんです

オルクス王子 精霊は人間にも、
ましてや魔女にも協力する子とはあるまい?

時の魔女アルビナ あん...はい。正確には、昔、
精霊の力によって起きた技を、私達が
ルーンを使って勝手に流用しているんです
精霊の見ていない隙に
えっと...どういえば良いのかな?
精霊がいる空間へ行くのはとても
難しいのは知ってますよね?
偶然ディム・リーパーや
ディム・エレメントがこちら側に続く穴を
開けてこない限り...
あの空間の座標を見つけることが
難しいようになっている
それは、遠い昔、まだ人間が
生まれるか生まれないかと言う時代に、
精霊は世界から隠れてしまったからなの
精霊がどうやってそうしたか、
っていうとね、
ある地域を丸ごと時を止めて、封印したの
そして、その時が止まっている
空間にだけ通じる、更に別の異空間を
作って、そこにすべての精霊は集まったんだ
精霊がいる空間が、外部空間との
繋がりを完全に絶ってしまったら...
この世界の生命達に何の恵みも
与えてあげられなくなる
でも、外部から受ける影響だけは
絶ちたいと、彼らは思ってしまった
だから、
外部からの影響を遮断する緩衝材として、
時の止まった空間を間に置く事にしたの

騎士シオン ...その力を流用して、
世界の時を止めたって事かい?

時の魔女アルビナ うん。...まぁ、流用...っていうか、
こっそり丸ごと盗んだというか...
つまりね、私達の世界の時が止まった
代りに、元々時が止まっていた世界が、
再び動き出したの

オルクス王子 それはまた、ずいぶんと大胆な盗み方だ

騎士シオン あの...それ、
こっそりも何も精霊にばれるんじゃ?

時の魔女アルビナ うん、だからばれないようにするのは、
凄く大変だったの
インテグラルスフィアがある
テロウスが発動の中心地だったから、
上手くいったんだ
スフィアは精霊の目から
免れるためのものだから

騎士シオン 精霊の目から...?

時の魔女アルビナ そこを説明すると長いからちょっと...
それでね、
大事なのはここからなの...です
今、時間が動いている場所は、元々
時間が止まっていた世界、私達が原始大陸群
と呼んでいる場所だけになっているの
あなた達は皆、その原始大陸群の
どこかへ脱出したの...です
ただ、特定座標に固定して
落ちることが出来なかったから...
あなたたちは原始大陸の内の別々の地域に
落ちてしまったみたいなの
今、同じ場所にいるように見えているのは、
私がこの空間をそう調整したから
うーん...これは、
直接見た方が早いと思うから
...あ、でも...
ブラッドアントの爪とかは
座標調整に使っちゃったから、
そうだなぁ...
三人共ちょっと外へ近づいて、
近場のものを何でも良いから
ここに持ってきてもらえると...
分かりやすくなるかも
ちょっと試してみてもらっても、
いいですか?

オルクス王子 人間は魔女に比べれば融通が利く
せいぜい付き合ってやるとしよう
物を取って戻る程度ならな

騎士シオン 本当に僕達三人以外、
誰も新しい時間を生きていないみたいだ
その僕達も直接は接触できないんだね
何か...夢でも見てるみたいだ

外の様子を見る -覆い茂った木々が一面に広がっているのが
見える-
ーひとまず、その葉を一枚持っていけば
良いだろうか?ー
ーイビルはシダの葉を手に
入れたー

時の魔女アルビナ 外はそれぞれどうなっているか、お互いに
聞いて、持ち帰ったものを見せ合って
もらえたら、よくわかると思うから...

オルクス王子 ...なるほど、お前はずいぶん我からは
遠い所に居そうだ
ーオルクスはどこから手に入れてきたか、
雪を掌に乗せているー

騎士シオン えっーと、...僕が持ってきたのは
これなんだけど?
ーシオンは、何かの人工的な文様が刻まれた
石を手にしているー
...念のために聞くけど、うさぎさんのいる
場所は、熱帯雨林か何かだよね?
ーイビルは外が森であることを伝えたー

騎士シオン うん。で、えーっと...

オルクス王子 雪原だ

騎士シオン 僕は、
高度な人工物が沢山ある場所...かな?
作った連中はここからだと
まだ見当たらない
なるほど、
全然違うところにいるようだね
分かった。それは納得したよ

オルクス王子 それで?
心持つ魔女よ、この状況を我らが把握
したとして、お前は何をさせたい?

時の魔女アルビナ 人類の存続の手伝い...です

オルクス王子 ...

時の魔女アルビナ あの世界を、魔王を残して、
土地ごとこちらの世界...今、時が
動いている原始大陸群に転移させるの
魔王は凍った時の中に、
永遠に存在し続けてもらうんです
ずっと存在し続けているのなら、
別の場所から湧いてくる事もない
そのために、原始大陸群の各地に、
元の世界の土地を結びつけるための
錨《いかり》を降ろして欲しいの

騎士シオン 錨...?

オルクス王子 つまり...魔王が生まれなかった世界に
やり直す、というわけではないのだな?

時の魔女アルビナ はい
深遠の魔女の可能性世界計画とは違うの
彼女は、結果が似てさえいれば、
途中経過は無視していい、とみなしてます
だから、
とにかく人類が精霊に狙われてなくて...
且つ、この世界の近似値にあたる世界を
無限の可能性世界から探し当てて、
その可能性世界を引き寄せる
人類が精霊に狙われなかった世界を
この世界に持ち込む計画を
深遠の魔女は立てている
それは、協力者に選ばれた貴方はよく
知っていると思います
でも、私は過去に起きた事を完全には
なかった事にしないんです。それが、
時告げ鳥の魔女の計画だから
時間を越えて、ある程度微調整は
するけど、それは起こった事のつじつまを
合わせられる範囲でだけ
大枠の時間軸は変えない
変えられる範囲もあまり広くは
ないんだけど...

オルクス王子 ...一つ聞きたいが、マギの手口と違って、
この計画では精霊の問題が片付かんな?
そうです、そっちーの対策は...また別に
立てているけれど、今は話せないから

オルクス王子 ...

騎士シオン そんな壮大な事を、たったこの三人に
やらせるつもりだと、そう言うんだよね?

時の魔女アルビナ はい。
貴方達が引き受けてくれないのなら、
人類はこれで終わりになります
少なくとも、時告げ鳥の魔女に
出来ることはなくなります
他の魔女に任せるしかない
もちろか強制は...しないです
魔女は強制は出来ないから
だから...私は、
多分お願いするしかないんです
世界の錨を降ろしてください

騎士シオン ...

オルクス王子 マギの計画とかみ合っていない...
それが賽《さい》の目をどう変えるか
...まぁ良い

時の魔女アルビナ もしもあなたに、無限に遠い何かでも手を
伸ばす意思があるのなら...この人類の
保護の目的に、協力してもらえますか?

騎士シオン 他に手もない...というか、
この場所にじっとしていても仕方ないし、
納得はしてないけど従うよ
でも、これだけはもう一度言うよ。
納得した覚えはないからね
そこにいるイビル達だって
本物かどうかの確認のしようも、
本当に合う事も出来ないんだからさ

オルクス王子 我は確約はせん
人類を救うためとはいえ、
魔女との約束なぞ、二つも持って
面白いことになるとも思えんしな
第一それで確実に人類が救われるとも
限らん

時の魔女アルビナ ...

オルクス王子 ...が、試す程度の興は持ち合わせている
興が逸れるまでは乗ってやろう

時の魔女アルビナ では...えっと、そう、
お三方がそれぞれお持ちの力を、他のお
二人が少しだけ借用出来るようにします
イビルさんには、
他の空間と繋がりやすい、空間の門となる
部分を見つけ出す目があります
オルクスさんは、深遠の魔女から、
どんな異空間に落ちても、記憶を失わすず、
その精神にも矛盾を起こさない...
矛盾緩和の魔法を預かっているはずです
シオンさんの用意した剣は、
一定期間、
一定区画の空間そのものを味方につけて...
一時的に自分の領土とする力が付与
されているはずです
それらをすべて使えば、それぞれが空間
の門となる場所を見つけ、元居た世界のうち
上手く引き寄せやすい位置を探し当て...
相互に矛盾しないように繋ぎ合わせ、繋い
だ土地を一時的に支配して、原始大陸群に
引き寄せることが出来るはずです
ひれが、
錨を降ろす魔法の発動手順です

騎士シオン ま...待って
あの剣にかけられた魔法は、
力の強化と引き換えに...
どこからか強い魔力を大量に調達しないと
使えなくなっているはずだけど...?

時の魔女アルビナ 錨を降ろす時に限っては、
私が用意するから大丈夫です

オルクス王子 なるほど...このために、
この三人を残すように調整したわけか

時の魔女アルビナ ...

オルクス王子 我々がここまで来れたのは、
あの紫の光が魔王の力を打ち消したから
そして、あの紫の光が宿ったのは、
魔王と我々が戦ったからだ
はい。あれは魔王の力に長時間
さらされる事で、
魔王の力が一時的に体をまとっていたから
魔王の体の一部に誤認されるように
なっていた。だからあの霧の地価瀬も、
貴方達には作用しなかった

オルクス王子 しかし、そう都合の良い人間が、上手い
具合に魔王と戦う可能性は高くはあるまい?

時の魔女アルビナ ...

オルクス王子 隠す必要もあるまい?
お前は時告げ鳥の魔女で、時を矛盾
しない限り遡って世界のあり方を調整する
自らそう言った
ならばそもそも我々が、矛盾なく
魔王と戦うように、やり直したのだろう?
何度も

時の魔女アルビナ ...はい

騎士シオン ...

オルクス王子 ...まぁ良い。
魔女に文句を言ったところで、甲斐など
あるはずもない

時の魔女アルビナ えっと...じゃあ
具体的な方法の話をしますね
まず、今から魔法で、お三方の力を
つれづれお互いに一部だけ貸しだして、
使えるようにします
三人の内の誰かが、
例え敵に回ったとしても、錨を降ろす魔法を
発動するときに限っては...
強制的に自動的に力を分けることに
なります

オルクス王子 ...
ーアルビナが手をかざすと、宙に顔ほどの
大きさの丸い泡が一つ浮かび上がったー

時の魔女アルビナ 覚悟が出来たのなら、
三人共この泡を見つめてくれませんか?
ー泡に顔が映りこんでいるのが見えるー
ーその顔が目を閉じたように見えた
自分が瞬きしている瞬間は、
普通見えないはずだが...ー
ーその瞬間、自分の中の何かが、
そのり泡に繋がったように感じたー
ーアルビナが泡を軽く吹いたー
ー泡は不意に三つに分裂して、それぞれ
オルクス、シオン、イビルの
体に吸い込まれて消えたー

時の魔女アルビナ これで大丈夫なはずです
えっとですね...まず外で、
あちこち探してください
どこかに、
適切な空間の割れ目があるはずです
それは回る紋章に見えるはずです
オルクスさんとシオンさんには該当
する紋章しか見えないはずですので、
とにかく回る紋章を探してください
イビルさんは、
普段見かける紋章とは別の色の紋章を
探してください
見つけたら、さっきの泡を頭に
思い浮かべて、紋章の上に乗ってください
そうしたら、錨を降ろすための地を
探索する魔法が発動します
それを少しずつ繰り返していけば、
人類は魔王のいない、精霊の目の届かない
世界へ逃げることが出来るはずです

騎士シオン 正直、まだ半信半疑だけど、まぁ、
試してみないと分からないか

時の魔女アルビナ 人類の未来は、この旅にかかっているから
上手く行く事を...祈ってるね

オルクス王子 お前はなかなかに驚かせるな
心があるとはいえ、
祈る事すら知る魔女とは

時の魔女アルビナ 良い事ばかりでもないよ...
あ、そうだ
外に出た後、心配しないでいいのは、
外には多分色んな種族がいて、
会話も可能なはずだってこと
この時代には、
人間はいるかいないか...少なくとも、
まだ今の形になっていませんでした
だから、何でも襲う生き物以外なら、
人間と敵対する種族もいないはず
こっちが友好的に振舞えば、あちこち
探し回るのを、助けてもらえると思うの

騎士シオン まぁ、僕から見える場所だと
色々と建物があるし、これを作って
運用している種は、いるだろうね
敵対的でないかの可能性が高い、
というのはありがたい情報かな

時の魔女アルビナ ただ、そういう相手と出会ったとして、
人間と名乗っても怪しまれるだけかも
そんな生き物知らないはずだから
今の人間の姿はエルフを
真似たものだから、エルフの特殊な亜種、
って名乗るのが、無難だと思う

オルクス王子 悪くない手ではあるな
機会があれば試すとしよう

時の魔女アルビナ あぁ、でも言葉が通じないと困るよね
もう一度じっとしてください
ーアルビナが三人の目の前で
人差し指を一本立てた
見つめると僅かにめまいがした気がするー

時の魔女アルビナ これで言葉は通じるはずです
古代の言葉と勝手に通じ合うように
魔法をかけたから

騎士シオン ...じゃあ、
これで外に行けば良いんだね
正直まだ信じきれていないけど
状況を確認するには、
どの道、外を歩かないと
いけないわけだしね
なんか、まだ色々
納得はいかないけど...

オルクス王子 魔女の手の上で踊るのが不快か?
ならばその感覚は覚えておけ
人類はずっとこうなのだから
...我はもう行くぞ

騎士シオン ...僕もひとまず確認も兼ねて
外へ出てみるね。戻ってきてこの場所が
残ってるかの保障すらないけど
また会えることを期待しているよ
イビル
ここに来たのが全員顔見知りだったのが
せめてもの救いだね
本人である事を祈るよ
ー二人がこの場所から遠ざかると
ある距離で不意に姿が消えたー

時の魔女アルビナ では、あの...えっと
お気をつけて

時の魔女アルビナ 私も心をちゃんと隠せるように
努力します、私の所作に
不備がなくなるはずだから
魔女の顔は精霊を見て、
精霊に見られて
精霊と取りかえられた特別な顔
この顔を継ぐことが魔女を継ぐこと
だからもしかしたら、私の知らない所で、
イビルさんは、
この顔に見覚えがあるかもしれないです

時の魔女アルビナ あ、そうだ
ここから先の世界で行動するのに、
少しだけ手助けの魔法を掛けておいたの
過去に誰かにしてもらった事を、
もう一度してもらえる魔法なんだけど...
うーん...説明が難しいなぁ...
何が出来るかは触ってみて
理解するのが、一番手っ取り早いと思うの
何らかの知的生命体が多く集まる街に
吸い寄せられるように、魔方陣を張ったの
あなたがこの先で、街のような場所に
出て、あなたにしか見えない魔法人が
あったら、それに触れてみて
さっきも言ったけど、
触ってもらうのが一番わかり易いと思う
きっと便利だよ?

ありがとう。あとはこれをこうして...
ーアルビナは何かの魔法を赤い土
に掛けたようだー
ー赤い土
は見る間に壷のような形になったー
こうしておけば、
精霊の末端の末端のそのまた末端が、
この壷の中に引っかかることがあるの
え?なんでこうするのかって?
うーん...実はね、
さっきの言語的な差異を吸収するのに使った
魔法なんだけど...
私があまり上手くないから
いつまで持つか分からなくて
でも、気づかない間に解けた魔法を、
何度も掛け直すのは大変だから、
ここに精霊の末端を呼び寄せて...
魔法で作り変えて、
言語の差異を吸収するためだけの生き物に
してしまえばいいかな、って
魔法に気膨大な生命力が必要だけど、
精霊の末端を利用すれば
いくらでも使えるもの
私がもう少し、
ちゃんと古代魔話法が使えれば、
こんなのは要らないんだけど...


ウクズラズラ森林帯
イノシシ、ワニ、飛竜、虎
??? ...
ー奇妙な動物達が、
揃ってこちらを向いているー
ーただただじっと、こちらを凝視しているー
??? ...
??? ...て...か...
ー動物が話したような気がするが...ー
汝は...我々はどこから来て...どこへ
行くのか?
ー不意に動物達が静止状態から動き出し、
こちらに襲い掛かってきたー
3匹のゴリラを倒す

オオカミやらヒョウ人間がぞろぞろと...
ー先ほどまで居た動物達が消え去り、
いつの間にかカレラが姿を現していたー
??? 強靭なる者よ、これを...
ー彼らの内の一人が何かを差し出してきたー
ー何か大きな爬虫類の頭蓋に見えるー
ーイビルは巨大爬虫類の
頭蓋骨を受け取ったー
??? 金の虫を追え...

辺境者コロクル うん...見かけない顔だね
エルフか何かかい?
ーゴブリンシャーマンだが
襲ってくる様子はない
会話も通じそうだー
ー先ほど見た獣と人間の間のような者達の事を
聞いてみるべきだろうか?ー
うん...獣のような種族?
そりゃあ、獣人だろうよ。ここいらには、
あんなのは山ほどいるからね
うん、金の虫?
追いかけろって言われたのかい?
言われてみれば、さっきそこいらに
そんなのがいたような...あぁ、
あれの事かい?
ーゴブリンシャーマンが指差す先には、
草の上を歩く金色の甲虫がいたー
ー甲虫は不意に足を止めると羽根を広げ、
飛び立ったー
北の方へ行ったみたいだね
ー金色の甲虫を追いかけてみるべきかも
しれないー

辺境者コロクル ま、あなたがここで何をしていようが
私には関係ないがね。あれやこれやの
もてなしで、忙しいんだから
あんた、頭蓋骨分けてはくれんものかね?
...嫌かい?どうしても嫌ってんなら、
あんたのでなくてもいいんだ
(クエでは、祖霊と呼んでたな、そっきの獣人を)

呪術師イシクォヴァ む...見かけない顔だな。すまないが、
金色の虫を見かけなかっただろうか?
...あ!!
ー獣人は足元に止まっている金の甲虫に
気づいたー
ーが、手を伸ばそうとした瞬間、
甲虫は再び飛び立ったー
待て!!
ー獣人はとっさに捕まえようとするが、
甲虫に手が届かず、
そのまま飛び去られてしまったー
あぁ...行ってしまった
お前...見たところエルフか?
ウーラバで見かけるのは珍しいな
うん...もしかして、
あの虫を追っていたのか?
何故また?
私と同じ種族と思しき連中にそうしろと
言われた?
しかも大勢いたと?ここいらまで
今出張ってきているのは、村では私だけの
はずだが...そんなに大勢いたのか?
見間違えではなく?...ふーむ、
もしかしたらあの虫のために、
祖霊が集まっていたのかも知れんな
あの虫は大事な儀式に
使うためのものなんだ
金色の虫には魂を運ぶ力があると
言われていてな
三日後の儀式の主役のためにずっと
育ててきていたが逃げられてしまった
あれは、儀式の途中で魂がどこかへ
飛んで死んでしまわないために必要だと
言われている
皆で探していたんだが...いや、
方角的には皆のいる方向へ戻ったか
これなら捕まえられるかもしれない
...あぁ、いや待て、
何処からか来たエルフよ
祖霊達に頼まれているのなら、お前を
連れて行くことには意味があるはずだ
一緒に金の虫探しに
来てはくれないだろうか?

ありがたい
では北の方へ向かおう
イヴライが近いから、
他の村人もいる
そこで協力してあの虫を捕まえたい
あぁ、
ただ私が先に行った方が良いな
皆にお前の事を伝える
ここいらに外部の種族が来るのは
珍しくてな
先に説明しておいた方が混乱がない

先ほどは挨拶どころではなく
一人で騒いでしまって申し訳ない
焦っていたので礼を失していた

ヴライ・ステップ

狩人ウシムラ あぁ、イシクォヴァが言っていたエルフか
こんな所で珍しいな
しかしお前さん、
エルフにしては耳の形が風変わりだな
まるで猿みたいな形だ
あぁ猿と言って失礼になったらすまない
似た動物の姿に例えると
嫌がる種族もいるからな
イヴライにはブッフォもいるが
最初彼をカエルと呼んだせいで
悲しませてしまった
ブッフォには侮辱になったんだ
悪い事をしてしまった
以降は気をつけるようにしている

呪術師イシクォヴァ 来てくれたか
あの虫はこの辺りに戻ってきたはずだ
ここいらで探そう
この近辺にあの虫が飛んだのは間違いない
近くにいることが
わかっているのなら、捕まえ方はある

狩人ウシムラ 罠か?

呪術師イシクォヴァ あぁ。あの虫専用の罠を作ろう
そこのエルフの...えーっと、
すまないが、
貴方の種族は名前を尋ねても良い種族か?
エルフにも色々亜種があるというし、
実際我々も耳が猿の形のエルフは初めて
会ったものでな
...出来れば教えてもらえるのは
我々に発音できる名前だとありがたい
こちらから呼べぬのでは意味がないからな
我々は貴方をなんと呼べば良いだろう?
ーイビルは
名の名乗ったー
なるほど
私の事はイシクォヴァと呼んでくれ
では改めて、イビルよ
貴方も含めて手分けして材料を集めたい
具体的には網に引っ掛ける罠だから、
枠組みと糸が必要だ
罠の数は多い方が良い。それと、餌だな
見分けをつける必要がないから、
部外者のイビルには
餌を取ってきてもらおう
インヨニの肝で良いだろう

呪術師イシクォヴァ このあたりまでくれば見晴らしが良い
迷う事もないし、虫がここに来たなら
他より見つけやすいはずだ

狩人ウシムラのクエスト
縄を編んでもらった
山=ワディを目指せば道を間違わない

呪術師イシクォヴァ 肝は取れたか?
祖霊に貰った骨は
ウーラバ・レックスの頭蓋骨だという
まさか自分で狩ったのか?
...いやこれは年季ものだ
だが村では見覚えがない
もしかして、
こいつも祖霊から受け取ったのか?

狩人ウシムラ 面白いな...
インヨカの所へ連れて行った方が
良いんじゃないか?

呪術師イシクォヴァ 罠作りも協力してもらえたしな
どの道イヴライで歓迎は
するつもりだった
もしよければ、
私達の村まで来てくれないか?
大したもてなしはできないが...
良かった。うちの村の茜長を紹介しよう
あ、そうだ罠は...

ファンクショナルサイン ー不思議と懐かしい感じがするー
ーアルビナが言っていた魔法陣のようだー

茜長インヨカ この所、闇と魔族のが優勢らしいな
エルフとしては心穏やかではなかろう
だがそういう時こそ、状況を一歩離れた
目で見られる場所に来るのは
悪い事ではあるまいよ
やぁイシクォヴァ
ヴァルヴァスの魂は見つかったか?

呪術師イシクォヴァ 居場所は大体つかめたので、
ウモヤ網を仕掛けてきた

茜長インヨカ しかし、網に掛かったのは、
虫ではなさそうだな?

呪術師イシクォヴァ インヨカ、イビルは網を
作るのに協力してくれたんだ

茜長インヨカ まるで猿のような耳のエルフだな
ようこそ
ウクズラズラ森林帯で、
イヴライの祖霊達に出会ったらしい
金の虫を追う様に託《ことづか》り、
それとウーラバ・レックスの
見事な頭蓋骨を授けられた

茜長インヨカ こりゃまた...面白いのが来たな
ようこそイヴライへ
しかし、この時期に外部から祖霊に
導かれた者が来るとは、
何かの巡り合わせと言う奴かも知れんな
もし旅の方、
イビルさんとお呼びしよう
この巡り合わせに貴方も思うことが
あるのなら、貴方にお頼みしたい事がある
あぁ、何も一方的にとは言わない
ここに来た貴方の事情や理由が何か
あるなら、
それについても私達が可能な限り手伝おう
如何かな?

ありがたい
そうさな...事の起こりはある占いの
結果でな
そいつによると、昔々から
言い伝えられているウムホリと呼ばれる
我々を救済する存在が現れる、という
それはこの地に生まれた者で、
少しばかり風変わりな者で、特別に選別
された金の甲虫に指し示された者だ
そいつに該当するのは
ヴァルヴァスだった
ところが当のヴァルヴァスは、
この手の占いを信じない性質《たち》でな
しかし目に見える物で、
結果を出すものなら敬意を持っている
エルフは技巧に優れると言う
目に見える技だ
ヴァルヴァスもきっと興味を示すはずだ
そこで、お前さんから、ヴァルヴァス
を説得してもらいたいと言うわけだ
あぁ、ただその前に、ちゃんと
実力者である事は示してもらわんと、
多分あやつは食いつかん
目に見える結果を出せるものを信用
するからな
それで、だ
お前が祖霊から受け取ったと言う、
そのウーラバ・レックスの頭蓋
一度、自力で狩ってきてくれんか?
昔から祖霊は、そいつを受け取るに
相応しい物を相手に渡すと言う
ウーラバ・レックスは
ここいらでは一番強い動物だ
こいつを狩れれば、
狩人としては一人前以上
目に見える技の持ち主が目に見える
結果を出すなら、
ヴァルヴァスからは尊敬に値する
祖霊が頭蓋を渡したのなら、
お前さんは狩人としての力があるはずだ
私に言ってくれれば、
狩場へ案内しよう

茜長インヨカ 結構結構。言っただろう?
祖霊が頭蓋を渡したのなら、お前は
それを元々獲れるだけの力があったんだ
あぁ、そうだ
肝心な事を聞き忘れていた
イビルさん、
お前さんが私達に望むことがあるのなら、
遠慮なく言ってくれ
ここに何をしに来たんだね?
ふむ...お前さんの目にしか見えぬ紋章が、
ここいらにあるはずだと
それを探しに来たと言うわけか
なかなか手伝うのが難しいが...
いや、散策と手伝いなら、
土地を知る者と行くに越した事はあるまい
それくらいの手伝いなら遠慮なく
私達に頼んでくれ
さて、それじゃあ早速ヴァルヴァスに
紹介したいところなんだがな
あやつは夜の儀式が終わるまで、
他の者とは会えんのでな。すまないが、
それまで時間を潰すと良い

??? こっちへくるな!!

茜長インヨカ おや?
ー何かの獣の悲鳴のような鳴き声がしたー
コリラが暴れている?

呪術師イシクォヴァ こいつは、赤子の頃から私が育てていて
我々に慣れている。お前にも危害は
もたらさなかったはずだ
ーウムントが怪我をして興奮しているのを
イシクォヴァが抑えているー

間借り人ダグベ 知って...る

呪術師イシクォヴァ 知ってて、攻撃したのか
お前の癇癪《かんしゃく》の虫は
なかなか抜けないな

間借り人ダグベ ...ただの八つ当たりだ
もう抛っていてくれ!
俺はどの道一人きりなんだ!
ー村の外へと駆け出していってしまったー
呪術師イシクォヴァ あ、おい
茜長インヨカ やれやれまたか
まぁ儀式の日には騒動がつきものよな

呪術師イシクォヴァ 何、あいつもまた私達の仲間として
受け入れられている
その事にちゃんと納得するまでは、
時間が掛かるだろうが...

茜長インヨカ あぁ、彼はな、ついこの間な故郷の一帯がな、
災厄により滅んでしまったんだ
生き残りは彼しかいない
それでうちで受け入れた
いずれ彼は自らの血で
故郷を復興させる事はできるだろう
ただ、それは一人でしなければならない
それに耐え得るか、
るいは復興するのではなく、
この村の者として新しい生を歩むか
それは彼次第だ

呪術師イシクォヴァ すまなかったな
お前の治療をしてやらねば...
ーイシクォヴァは
ウムントの怪我を見始めたー

茜長インヨカ 復興が叶うか叶わないかの
狭間にいるのが、
一番あいつを悩ませているのだろう
過去を取り戻すのも、新たに生きるのも、
どちらが良いと言うものでもないからな
まぁ、気持ちが落ち着いたら
戻ってくるだろう
ー誰も追いかける様子はないが、
彼の後を追ってみるべきだろうか?ー

茜長インヨカ お前は、遠い所を見ているな
なんでも10年ほど前、奇妙な生き物が
闇の勢力に加担したと聞く
エルフ達はどうにか光の側へ
その生き物を作りかえられないか
苦心しているのだというが本当かね?
あぁ、そうだ。確か...人間
とかいう生き物だったか?
合ってるかね?エルフも大変だな

イミフラ・ヨムフラ
雨が降る草原

間借り人ダグベ 誰もわかってなんかいないんだ
...うん、誰だあんた?
見たところエルフみたいだが...?
余所《よそ》から来て、
しばらくイヴライにいるのか
それじゃ勝手が分からないんだろうから
教えてやるが、俺が暴れるのは別に
異常事態でも何でもないよ。皆慣れてる
皆から俺の事は聞いたのか?
イシクォヴァの言うとおりだ
俺は単に癇癪を起こしてるだけだ
憂さ晴らしなんだ
ろくでもないことは分かってる
皆に迷惑かけないように、ここいらの獣に
八つ当たりすれば良いだろう?
ー自分も八つ当たりしてみると
申し出ようか?ー
あんたもやるのかよ!!
いや...別に止めはしないけども

まだ昨日の続きの今日でいたいんだ
急にそんなものはありえないなんて
言われたって...

こんなに倒したのか
いやぁ...俺も相当だけど、あんたも大概、
やぶれかぶれだな
あぁ、そうか
外から来たエルフなら多分、
あんたも故郷を離れないといけない理由が
何かあったんだな?
そっか、そうだよな。ははは
なぁ...皆は先の事ばかり言うんだけど
さ、俺はまだその前のところにいるんだ
納得してないんだ。だってそうだろう?
皆死んで、いなくなって、もう今までと
同じじゃないって、わかるかよ...
嫌だよ
わかってたまるかよ。まだ嫌なんだ

そこから先になんて行けるかよ!!
受け入れて次の対処(誤字ではないか?場所が正しいのでは)へ進みましょうなんて
言われたって...俺の世界はまだ...
皆が普通に生きてる時間のままなんだ
あんたも...そうだよな
先の事を何とかしろなんて、薄情すぎる
なぁ、八つ当たりして少し、
すっきりしたか?
同じさ、馬鹿馬鹿しいけどさ、
まだ駄々をこねていたいんだろうな
変な事につきあわせて悪かった
俺はまだ八つ当たり以外にすることが
あるから、先へ行くよ
あぁ、そうだ。村に戻ったら、
イシクォヴァに悪かったと伝えてくれよ

呪術師イシクォヴァ うん?間借り人ダグベが謝っていたと?
それで、彼は...イミフラ・ヨムフラ
より先に行ったのか?
そうか...となると、
あいつは多分霧の奈落...
間借り人ダグベの跡地へ行ったな
あぁ、ややこしくてすまない
彼はダグベから来たんだ
あの辺りでは代表者が土地の名を名乗る
ダグベの生き残りは彼だけだ
故に彼がダグベの名を
否応無しに継がざるを得なかった
うーん...すまないが、もし暇があるなら
彼の様子を見てきてくれないか?
あそこは彼の故郷があった場所でな
一人きりにしておくには忍びないが、
行ったのが私では気兼ねするだろうからな
私が行ってくれと頼んだ事も、
出来れば秘密にしておいて欲しい
人の心労を無闇に増やしても、
誰も得しない。そうだろう?
ーダグベを追いかけてみるべきだろうか?ー

霧の奈落

間借り人ダグベ ...
おいおい、こんな所にあんたも何か用事が
あるっていうのか?
ー何か手伝うとでも
申し出るべきだろうか?ー
何か手伝えることはないか、って?
あんたも変な奴だな
...
...まぁ、いいや
あんたも建設的に前を向いて何かするのから
逃げたかったりする事もあるだろうし
それなら、手伝ってくれ

実はな、
薬草を手に入れるためにここまで来たんだ
ほら、あのウムントを
怪我させてしまったから
邪魔なモンスを倒しといてくれと頼まれる

間借り人ダグベ え!? ラプトル・マザーを
倒してしまったのか!? 凄いな...いや
あれはなかなかに手ごわい相手なんだが
なんにしても助かったよ
あいつが邪魔なのは知ってたけどさ、
他の場所の薬草の見分け方なんて俺は
知らないからな
俺の知ってるものは全部この
あたりのものだ
ずっとこの辺で暮らしてたんだ...
色々付き合ってくれて、その...
なんだ?
多分、嬉しいんだ俺。久しぶりに
実をいうと、本命の薬草は駄目だったんだ
けど、まずまずの効用を持つ花は
集められたし、彼女自身も良い薬草と
術を山ほど知ってるから...
まぁ、元から気休めみたいなものでは
あるんだけどな
でも、付き合ってくれてありがとう
それじゃあ...、
そろそろイシクォヴァのところに
一緒に戻ろうか

呪術師イシクォヴァ ありがたい
あぁ、二人とも無事だったか

間借り人ダグベ イシクォヴァ

呪術師イシクォヴァ 変なところまで行ってしまったんじゃないか
と、少し心配になり始めていたところだ

間借り人ダグベ ごめん。実はその...これを...
ーダグベはイシクォヴァに花を渡したー
これでウムントの傷は
治るかもしれないと思う

呪術師イシクォヴァ ...ふむ、私も知らない薬草だな
ダグベのあたりは、
ここより良い薬草が沢山取れる
ありがたく使わせて頂こう

間借り人ダグベ いっとう効く奴は絶滅は
してしまっていたみたいなんだ
いや、本当を言うと、
一輪は残っていたんだけど、一輪だけだった
どう探しても他にはなかった
それでその...摘むのがもったいなくてな

呪術師イシクォヴァ いや、これでもきっと充分だ
助かった。二人ともありがとう

間借り人ダグベ 元はといえば俺が...いや、いいや
うん

ーイシクォヴァは壷を一つ取り出した
中には土が入っており、赤い花がいくつも
咲いているようだが...?ー

呪術師イシクォヴァ これは私の術を込めて作った呪花だ
その一番良いと思う薬草、一輪あるなら、
花粉が取れるはずだな?

間借り人ダグベ ああ、それくらいは多分

呪術師イシクォヴァ それと、私が前に教えた急速成長の呪術は
憶えているか?

間借り人ダグベが花を増やすことに成功した
イビルにも増やしてくれると言う
ーエリシア区の庭園の花を一輪
摘んでこれないだろうか?ー

しかし、未来から過去に移動しようとすると、花は消えていた

時の魔女アルビナ どうかしましたか?
え...?あの世界から物を持ち込むことは
出来ないのか、ですか?
すみません。できたら便利でしょうけど、
あの像から戻れる世界は、ずっと円環
し続ける止まった時の輪の中です
あの日あの時より先へは進めない
あの日あの時、あの中庭へ
たどり着かなかった者は、なんであれ外に
出ることはありえないんです
大陸を繋がない限り、
幻のようなものだから...
ー諦めてダグベの所へ戻るべきだろうー

花を回収できなかったと伝えた
すると先ほどの花を一株分けてくれた
受け取ろうと鞄を開くと、
一匹の蜂が出てきた

間借り人ダグベ うん...?
ーどうやら何かの拍子に紛れ込んだらしいー
あぁ、受粉しちまったのか。...なぁ、
これ...ちょっと、
育成の術を掛けてみて良いか?

みるみる花が育つ

間借り人ダグベ なぁ、もしやと思ってたんだが、
こいつ、もしかしなくても...
あんたの故郷の蜂なんじゃないか?
だって...半分は交配用の花に似ているが、
もう半分だけ考えて元の花を想像しても、
俺には思いつかない
多分、見たこともない花だ
ーどこかしかマティア・コスモスの中庭に
咲いていた花に似ている気がするー

あなたの故郷も、まだ完全になくなったわけじゃないと間借り人ダグベ
花は再生の象徴なのかもしれない

クエのモンスタ狩り

間借り人ダグベ ダグベはいつか復興する
荒らされたままにしていたらいけないんだ

早く戻ろうと間借り人ダグベ
いくらあんたが強くても、
あんまりここに長くいちゃ危ないからな
前にダグベを滅ぼした災厄が...
ニンゲンがまた出るかもしれないんだ
戻ろう
うん?この辺りに出るニンゲンの状況?
そうだな、それこそ茜長に聞くのが一番
良いんじゃないか?

呪術師イシクォヴァ その様子だと、まずまず
良い花が取れたようだな

間借り人ダグベ あぁ、いや、うん、えーっと...
あ...ありがとう

茜長が呼んでいるという

茜長インヨカ ヴァルヴァスの儀式が丁度終わってな
...うん?ニンゲンが気になるのか?
あぁ、それもそうか
確かエルフはニンゲンを自分達そっくりに
作り変える事で、無害化する技を
研鑽《けんさん》しているのだったな
お前さんにしか見えない紋章とやらも
何か関係が...いいや、
あまり深く詮索するのは無礼だったか
実は最近ここいらでも、
頓《とみ》に多く
見かけるようになっていてな。その...
ーインヨカはダグベの方を少し気まずそうに
見たー

間借り人ダグベ あぁ、俺はニワトリの世話があるから、
それじゃ

茜長インヨカ あぁ、夜の王に食われんように、
よくよく頼む

茜長インヨカ ...っと、逆に気を使わせてしまったか
もう大丈夫なのかもしれんな
いやなに、要は彼の故郷をニンゲンが
滅ぼしたのが一年前
以降は目立った群体は見かけんが、
時々はぐれのような固体を見た、
というものがあってな
このまま ほうっていて良い状況では
なさそうなのだ
これもまた伝承にあるイヴライへの
災厄なのかもしれんというわけで、
ヴァルヴァスの儀式を急いでいるわけだよ

??? ウムホリの伝承とは関係ないと思うがな、
俺は

狩人ヴァルヴァス 紋章を探すにはワディに登るのが良いとヴァルヴァス

茜長インヨカ まだ山開きはしていない
ワディは精霊の領土に最も近い
精霊達はどういうわけかニンゲンを避けた
がるが、あんな手がつけられないものは、
精霊くらいでないと対処できまい?

狩人ヴァルヴァス それならどうにか、
精霊の世界にニンゲンを追い込んで
閉じ込めてしまえば良い
ただワディが開くまでの時期を
待っていては、
またいつ被害が出るか分からないからな
強制的にでも山への道を
開くつもりだ。どうだ?インヨカ?

茜長インヨカ まぁ、お前さんが望むのであれば、
私は異論は挟まんよ
お前さんはウムホリなのだから

狩人ヴァルヴァス ...

茜長インヨカから、ヴァルヴァスが道に外れ過ぎないよう気をつけてくれと頼まれた
祖霊の言い伝えにそむくと痛い目に遭うだろうからと

ヴァルヴァスは呪術師イシクォヴァの力も借りたいという
ワディに入るには、
精霊の領域を行き来する力がいるという
夜の王の羽根を
狩る必要がある

茜長インヨカ やはり羽根が抜ける時期まで待つつもりは
ないのだな?
夜の王は精霊の末端の末端とはいえ、
精霊に近しい眷属だ
だからこそ、その羽根に、
領域を超える力がある
それを分かった上で狩る、と言うのだな?

インダヴォ・エボンヴ

??? なぞの獣人がいる
しゃべっているのに聞こえない
姿も消えた
呪術師イシクォヴァとイビルだけが見えたらしい
祖霊だとは思うが、言葉を伝えることが出来なかったことから、
かなり古い部類だと呪術師イシクォヴァは言う

夜の王を見た者はいないらしい
不可視なのだという
物質をすり抜けることもあるという

すり抜けられないイブベシの血を使った檻を使うと呪術師イシクォヴァは言う

温度と湿度から、夜の王の通り道を特定した呪術師イシクォヴァ

呪術師イシクォヴァ ...ヴァルヴァスはお前に対して
なんのてらいもなく、
我々獣人と同じように振舞っただろう?
私はそこが彼の良いところだと思う
合理主義が行き過ぎて、
時々困る所もあるが
彼がウムホリとして我々を
救ってくれるのかはまだ確信は取れないが、
決して向いてないとは思わない
ダグベもそうだ。
お前がなかなかダグベと上手く
やれていたのを見て思ったんだが...
そういう重荷の部分をお前が
わかってやってくれると嬉しいと思う
ダグベはどうもヴァルヴァスを警戒
してしまっているからな
...おっと、戻ってきたようだ

呪術師イシクォヴァ ...精霊は困った時には本来、
道標《みちしるべ》を示してくれる
なのにことニンゲンが関わるとおかしい
どんな呪術をかけても
反応したがらない
どうしてなのだろうな...

(可能性としては、ニンゲンは精霊の同胞だから。
永遠の生を厭った一部の精霊が、肉体を持つニンゲンとなったのでは。
ルーンという奇跡の石が、ニンゲンにしか作れないのも、ニンゲンの正体が精霊だから、
という説明だとしっくりくる。精霊由来説の証拠だろう)

罠のところに行ってみると、餌だけ取られていた

呪術師イシクォヴァ 奴は普通の領土では不可視ではあるが...
...虫...コオロギが...
残った肉片をコオロギが運んでいる
普通、コオロギはこんな事しない

狩人ヴァルヴァス クシルワの領分の方へ向かっているな

クシルワの領分

開けた地2 -何故だかあまり近寄りたくない-

コオロギを追っていくとある地点まできた

呪術師イシクォヴァ ...精霊が普通の世界で見えない事が
あるのは、少しだけ生きている領域が
違うからだと言う
精霊の末端であれば
巣となる領土を抱えているはずだ

さきほどの、古の祖霊が現れた

呪術師イシクォヴァ 祖霊は止めるような何かを言っていた
非難するような顔つき

ヴァルヴァス 夜の王の領土に入ってしまえば、不可視ではなくなるのでは?
なぜか間借り人ダグベに会いに行くと言う
ニワトリをインダヴォ・エボンヴに置いておくと、
夜の王に殺されてしまうらしい
夜の王がニワトリを嫌っているから、という噂だ
ニワトリを食べるか、までは不明らしい

呪術師イシクォヴァはこう考えた
ニワトリは夜の王の天敵
領土をこちらの世界に暴き出す力があるのではないか?

間借り人ダグベが危ないんじゃないかというが、
狩人ヴァルヴァスはニンゲンをここいらから追い出すために
試す価値はあるという

というわけで3羽の雄鳥をもらった

しかし、夜の王に襲われた
危ない所を助けてくれたのは、隠れみの術を使った祖霊だった

呪術師イシクォヴァ 我々は全て精霊より生じ、
精霊へと還る
自分の道理はずれを分かっていると呪術師イシクォヴァは言う
分かっている
だがその例外が恐らく
ニンゲンなのだ
アレは精霊から生じたものではないと
いう。アレがもたらし得る災厄に、普通の
方法では対処しきれないかもしれない
ヴァルヴァスは祖霊をないがしろにし過ぎるが
しかしそうでなければ
救えない事態というのも確かだと思う
それにきっと
ウムホリは我々を救ってくれる
方法はないかと問うと、祖霊はイビルをじっと見て、
ウクズラズラ森林帯を示した
あそこのゴブリンシャーマンが雄鳥を持っているという

呪術師イシクォヴァはゴブリンシャーマンが嫌いらしい

フクロウの羽をゲット
呪術師イシクォヴァは石を拾った
ヴァルヴァスは行方不明
占いで探すという

ービーズのような何かの道具を指で何度も
弾いている
これが呪術のやり方なのかもしれないー
1どうやるのか聞く うわっ
2肩をつっつく
3やめる

若き日のヴァルヴァス
若き日の呪術師イシクォヴァ

呪術師イシクォヴァ うーむ...巻き込んでしまったか

若き日のヴァルヴァス なぁ、ワディの向こうには
ウーラバ・レックスより大きな怪物が
いるかもしれない、って本当か?

若き日の呪術師イシクォヴァ かもしれないだけなら、
なんだってそうだろう。

若き日のヴァルヴァス インゴニャマ兄さんが
心配するだろう

若き日の二人はクシルワの領分へ出かけた

ウノブティは今の時期どかない

ウクズラズラ森林帯

思索者インゴニャマ 獣人が獣の姿を模して生まれてくるのは、
多分、精霊から分かたれて生まれる時に、
こういうマナ溜りを経由して...
動物達の纏う《まとう》マナが流れ込むためだと
考えられる

後天的な合体
能力の獲得
この近くでないと魂を招く呪術を使えない
前みたいな無謀は止めろよ、と呪術師イシクォヴァはinfからたしなめられている
思索者インゴニャマは二人が探検に行っても留守番するつもりらしい
思索者インゴニャマはウムホリになったらしい

思索者インゴニャマが一番知りたいのは、精霊の顔
末端でも尖兵でもない、本物の、
六大精霊の姿、その顔が見てみたい
精霊が教えてくれる事は限定的
それに、誰ね見た事がない、見る事が
出来ないのなら、そこにこそ新しい真実が
潜んでいると思わないか?

獣人の里イヴライ

思索者インゴニャマ ニンゲン?

在りし日のウシムラ 前にワディが開いた時に、外から来た
ブッフォの話では、そういう奇妙な
霧のような意志ある何かがいるらしい
そいつらにドラゴンが言葉を教えて、
話せるようにしてしまった
いや、言葉を与えたせいで
心を与えてしまったといえるかもしれんが、
とにかくそいつらは...
どうも精霊が見えるというんだ
なんとも奇妙な存在だ

思索者インゴニャマ ...どこにいるんだ?
そのニンゲンというのは
多分、
ドラゴン達の棲家《すみか》の
近辺にいるんだろう

思索者インゴニャマ ...

若き日のヴァルヴァス なぁ...行っちゃえよ、
ドラゴンの領土にさ

思索者インゴニャマ いやしかし...

若き日のヴァルヴァス ウムホリは俺がやれば良い

思索者インゴニャマ えっ...?

若き日のヴァルヴァス インゴニャマ兄さんがいなくなれば、
俺かイシクォヴァの
とっちかってことなんだろう

呪術師イシクォヴァ ほら、インゴニャマ兄さんに習った事を、
全部この板に刻んでおいたからな

ウクズラズラ森林帯

狩人ヴァルヴァス 今あの辺にニンゲンが入って行ったように
見えたな

辺境者コロクル 深追いは、やめといた方が良いと思うがね

狩人ヴァルヴァス 駄目だ...抜け出せない
そもそもここの空間はどう
なっているんだ
何か手が...さっき...あぁ、
そうだ、鷹だ...鷹がいる
この迷路から抜け出すには...

イズウェ・レーラバシ

狩人ヴァルヴァス くっ...せっかく外に出られたのに、
この有様ではな...

獣人の里イヴライ

呪術師イシクォヴァ それにしても、あの暗闇の中で、
ヴァルヴァスが言っていた事...動物と融合
するあの呪術を使ったのか...?

イズウェ・レーラバシ

ヴァルヴァスは足が石に挟まれて動けない
全員で協力して足を抜け出した

狩人ヴァルヴァス あのゴブリンシャーマンがいた
近くの洞窟にな、
ニンゲンが出入りしているのが見えたのだ
こんなことは今までになかった

呪術師イシクォヴァ あそこは入って
すぐに行き止まりのはずだな?

狩人ヴァルヴァス あぁ、実際入って確かめてみたが、
今も元のままの行き止まりだった

呪術師イシクォヴァ ...

狩人ヴァルヴァス だが、生き物が奇妙な事になっていた
なんというか...奥側のある部分で、
動きが止まったねずみやら鳥やら虫やらが
いたのだ
よく見るとゆっくりとは
動いているのだが...なんとも不自然でな
あそこだけ時の進みが
歪んでいるのではないかと...そう説明
したくなるようなあり様だった

呪術師イシクォヴァ ふむ...

狩人ヴァルヴァス その奇妙な領域にニンゲンが入り込もうと
したり、
出たりしようとしているように見えてな
ニンゲンは時空間も時に平気で
超えたり歪めたりしてしまうとい言うから、
あれらが原因なんだろうと踏んだ
だからこそ、あまり刺激せぬように、
後ずさったのだが、それで後ろにいた鷹を
刺激してしまったらしくてな

呪術師イシクォヴァ 待て、鷹だと?何故洞窟に

狩人ヴァルヴァス どうもあのゆっくり動く生き物の匂いを
嗅ぎ付けて、あそこまで来たらしい
狩りをするつもりだったのだろうが、
洞窟では上から襲い掛かることも
出来ずに...
ゆっくり地面を歩いて近づいていたようだ
それが俺の動きに警戒して、
鳴き声をあげた
その声でニンゲンどもがこちらに
気づいてな
一気に鷹ごと俺も襲われた
それで気がつくと、どこもかしこも
何がなにやら分からぬ場所にいたのだ

呪術師イシクォヴァ ...不用意にニンゲンに近づくような、
危険な真似をするから

狩人ヴァルヴァス まぁ、確かに迂闊《うかつ》だった
しかし、そうなってしまった以上は、
何とか自力で抜け出さねばならんと
思ってな
必死に進んでいるのだが。
もはや自分が先へ進んでいるのか
いないのかすら分からない
声を出しても、
自分の声すら聞こえてこない
しかしそれで思ったのだ
見えておらぬだけで、
ここはまだあの洞窟で、一緒にあの鷹も
捕らわれているのではないか、と

呪術師イシクォヴァ それで、あの呪術を試したのか

狩人ヴァルヴァス あぁ。あの鷹を俺は取り込んだ。
何か鷹の力が身につけば、
外に出る手立てになるかもしれんとな

呪術師イシクォヴァ ...失敗はしなかったようだな

狩人ヴァルヴァス あぁ、無事、力は身についた
鷹の目の力は、よく見る力。
他の生き物の視線を間借りする
力だった
それで俺は俺自身の様子を、外からの
目から見てどう見えるのかをまず確かめた
丁度あの洞窟には色んな生き物が
いたわけだしな
多分、間借り出来たのは、
ねずみか何かだ
その目から見たら、真っ直ぐ歩いて
いるはずの俺は、同じ所をぐるぐると、
異様にゆっくりとしか動いていなかった
呪術師イシクォヴァ奇妙な領域に捕らわれていたという、
生き物達と同じになっていたわけだ

狩人ヴァルヴァス そういう事だ
だから俺は注意深く、そのねずみの
視点で確かめて、ぐるぐると回らぬよう、
真っ直ぐに歩くようにと気をつけて進んだ
そうしてやっと、生き物達が捕らわれている
領域から足を踏み出したと
思った途端、ここに落ちたわけだ

呪術師イシクォヴァ ふむ。まぁ、ニンゲンは時空間を
ゆがめてしまうと言うからには、
そういう事も起こりうるか

狩人ヴァルヴァス むしろ霧の奈落に叩き落とされなかっただけ
幸いだったのだろうな。ただ、
この岩から足が抜けずに困っていた
...いや、今気づいたが空間の歪み
から出る時に、岩の中に閉じ込められでも
したらと思うとぞっとするな

呪術師イシクォヴァ 霧の奈落に出る方がまだマシだったな

狩人ヴァルヴァス うむ。後は、飛ぶ鳥の目線を借りて
お前達が来てくれたのを見つけてな
矢を撃ち続けたというわけだ

呪術師イシクォヴァ なるほど。こちらが見えていたから
撃ち過《あやま》たなかったか
なかなかに大冒険者だっのだな

呪術師イシクォヴァ イビル殿が夜の王の
羽根を狩り獲った
これでワディに登れるはずだ

狩人ヴァルヴァス ...うむ。それなのだがな

呪術師イシクォヴァ うん?

狩人ヴァルヴァス 俺は物の弾みのようなものだが、様々な
相手の視界を一時的に借り受ける技を得た
これを使えば、そもそも
イビル殿の当初の目的である
高所から見下ろしてものを探す...
という行為が、
ワディに登らずともできてしまう

呪術師イシクォヴァ あぁ、言われてみればその通りだな

狩人ヴァルヴァス 俺はワディに伺いを立てるために登る必要が
あるが、イビル殿まで無理に
つき合わせる意味がなくなった
それにイビル殿は夜の王の羽根を
集めてくれたというのなら...
ますますこちらがまず恩義を
返すべきだろう

呪術師イシクォヴァ なるほど
ではひとまず先に、イビル殿の
探し物を、ヴァルヴァスの目を使って
探してみるべきか
ー確か特別な紋章は自分の目でなければ
見えないはずだが、
その事を伝えるべきだろうか?ー

呪術師イシクォヴァ うん?
お前にしか見えないものなのか

狩人ヴァルヴァス そうか...そうなると俺の目で探すのは
難しいか

呪術師イシクォヴァ いやまて、それなら一つ手がある
能力を一時的に譲渡する薬だ

狩人ヴァルヴァス あぁ、そういうものも考えたな、昔

呪術師イシクォヴァ すぐ効果が抜けてしまう代わりに、
そう危険な薬でもないし、
試してみる価値はあるだろう
材料は手分けして探せば良い

ヴァルヴァスの目をイビルに
一時的に付与する事になった

ーウーラバ・ケラトが水を飲む水辺に、
紋章のようなものが見えるー
ー木々の隙間から紋章と
ウムントが見えるー
ー巨大な骨の隙間から紋章と
巨大な怪物が見えるー
ーどこに下りてみるべきだろう?ー

ーいつも見ている紋章とは明らかに色が違う。
これがアルビナが言っていた
紋章かもしれないー

狩人ヴァルヴァス やはり、あの奇妙な宙に浮いた何かがお前の
探し物だったか
俺にも見えていたわけだが、
あの場所はたぶんイブホム平地だな
ここからそう遠くない

呪術師イシクォヴァいわく、様子が違うらしい
イビルの用事と関係するのかも

とびこむ
黄昏城
アワカガボコのあった場所

狩人ヴァルヴァス
彼も見えてしまっているらしい
ここに住む連中は一体...
1故郷の近く
2イヴライではない場所 狩人ヴァルヴァス ではこれは...本当にある...外の世界だというのか!?
ーヴァルヴァスは呆然と
立ちすくんでしまったようだー

渇望者クドラク登場
渇望者クドラク やっと繋がった...次元を超越する通路...
狩人ヴァルヴァス なんだこのエルフ...精霊の気配がす...る
いくらエルフにしても強すぎるぞ
渇望者クドラク 人間がいける範囲には
普通は次元の通路は開かない
だがイズモでは一度開いたと言う...
待ち受けていた甲斐があった...
ようやく...
狩人ヴァルヴァス ニンゲン...?
何をするつもりだ彼奴《きやつ》?
ークドラクの姿が急に消えてしまったー
アルビナの声 イビルさん...?
ーどうやらアルビナの声のようだー
アルビナの声 あ、ようやく繋がったみたいですね
何か変なノイズが入っていたのは、
まだ原因がつかめていないのですが...
いえ、今はとりあえず置いておきます
どうやらイズモ地方へ繋げられそうな
歪みを見つけられたようですね
あとは錨を降ろすだけです
ー気づくと手には、半ば透けている
幻影のような姿だが、シオンが
持っていたのと同じ剣が握られていたー
それで、あなたのいる場所近辺に、
イズモ地方が光臨するはずだから...お願い
します
ーイビルは、
丁度アワカガボコが刺さっていたのと同じ
位置に剣を地面に突き立てたー
クドラクの声 繋が...る
ーアルビナではない声が聞こえた気がしたー
アルビナの声 えっ...あれ?
ー地面が大きく揺れだすー

イブホム平地

狩人ヴァルヴァス ...いや、疑いはすまい
俺はこの目で見たのだから
お前の用件を聞いても
恐らく俺達では分かるまいな

呪術師イシクォヴァ い...今...
物凄く大きな地震が起きて、イビル殿に
似た耳のエルフが、不意に現れて
すぐ消えたように見えたような...?
...そうか、あなた達は別の物を、
その視界で見ている最中だったのか
それでも一応用事は
終わった...のか?ヴァルヴァス...?
ーヴァルヴァスはぼんやりしているのか、
返事をしないー

狩人ヴァルヴァス あの世界...ニンゲンの...?
ーヴァルヴァスは何か懸命に思考を
めぐらせている様子だー
...あぁ、すまない
その...結局どうなったのだ?
ーアルビナの言葉が聞こえなくなった以上、
成功したかどうかは怪しいため、
失敗したかもしれないとだけ伝えたー

狩人ヴァルヴァス 失敗したかもしれない...と?

呪術師イシクォヴァ とは言え、まだ確証ではないのだな?
何か確かめる方法はないのか?
ーアルビナに聞きに行けば
分かるかもしれないー

呪術師イシクォヴァ あぁ、確認できる心当たりはあるのだな
分かった。ただその...
ーイシクォヴァはヴァルヴァスに目線を
やったー
ーあからさまに落ち着かない様子に心配
しているようだー

呪術師イシクォヴァ 私はヴァルヴァスと少し話したいのでな
すまないが。ここで私達は待つとしよう
地震の影響がこの近辺に出ないとも
限らないしな

狩人ヴァルヴァス ...

ーアルビナの姿が
見当たらないー
ーよく見ると
この近辺の空間がわずかに
きしんで見えるー
ー先ほど起こったという地震の影響で、
上手くアルビナの元に繋がらなく
なったのかもしれないー
ーひとまずイシクォヴァ達の所へ戻るしか
なさそうだー

呪術師イシクォヴァ いいさ。私がウムホリになればいい

狩人ヴァルヴァス なんだって?
お前がインゴニャマ兄さんに
言ったことじゃないか
何も驚く事はない

狩人ヴァルヴァス だが...

呪術師イシクォヴァ あんなあやふやな予言をした祖霊が悪い
そうだろう?

狩人ヴァルヴァス ...

呪術師イシクォヴァ インゴニャマ兄さんが探した、
ニンゲンの棲む場所があると分かったんだ
収穫は掴まなければ、
土へ還ってしまうだけだろう?

狩人ヴァルヴァス ...少し...一人で考える

呪術師イシクォヴァ あぁ
ーヴァルヴァスはどこかへと歩いていったー

呪術師イシクォヴァ あぁ、戻っていたのか。すまない
こちらはこちらで話し込んでしまっていた
それで、どうだった?
...そうか。失敗した可能性が高いのか
先ほどの地震...かなり規模が
大きかったように感じた
イヴライの他の場所に何か影響が
出ているかもしれん
ひとまずは村に戻ろう

獣人の里イヴライ

呪術師イシクォヴァ ヴァルヴァスは多分
少し考えたいだろう
そっとしておいてやってくれ


by axiote | 2019-04-26 10:14 | ●オルクス オンライン | Comments(0)

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